【睡眠が健康に与える影響】睡眠は「時間」よりも「質のよさ」が重要・睡眠の質上げる方法5選

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【自分磨き】誰でも実践できる方法

日本人の睡眠時間は欧米諸国と比べると短く、特に女性ではその傾向が顕著に表れているというデータがあります。また、厚生労働省のデータによると、現在、日本人の5人に1人は、睡眠時に何らかの障害を抱えているとされています。時間が不足しているばかりか、内容にも問題があると考えられる睡眠。しかも睡眠不足は、高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因になるともいわれています。
では私たちの睡眠の実態はどうなっているのでしょうか。理想的な睡眠を得るにはどうしたらいいのか、探っていくことにしましょう。

 

睡眠の「質」が一番のポイント

総務省の調査によると (※1)、日本人の全年齢の平均睡眠時間は女性が7時間36分、男性が7時間49分。しかし働き盛りにさしかかった35~39歳では、女性が7時間22分、男性が7時間24分と短くなってきます。なかでも最も睡眠時間が短いのが男女とも45~49歳。この年齢層では女性が6時間48分、男性が7時間18分と、かなり睡眠時間が短いことがわかります。

睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。そして一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返します。ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回。つまり寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。

また、寝入ってから2~3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。「これ以上身長が伸びるわけではないから、成長ホルモンが分泌されなくても関係ない」と思っていたら、大間違い。成長ホルモンは単に「成長」を促進させるだけでなく、「細胞の修復」や「疲労回復」に役立っています肌=皮膚や内臓の細胞を新しいものに入れ替える「ターンオーバー」は、成長ホルモンによって行われるのです。そのため、成長ホルモンを「若返りホルモン」と呼ぶ専門家もいるほどです。
明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めるのです。睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなってしまいます。「睡眠が不足しているなぁ」と感じた翌朝に、肌のコンディションがよくないと感じたことはありませんか。それは、成長ホルモンが十分に体にいきわたっていないからかもしれません。

 

質のいい睡眠のために必要なこと

人間には体内時計があり、それが1日の24時間とずれているため睡眠にも影響が出るといわれています。体内時計は24.5時間とも24.2時間ともいわれてきましたが、最新の研究では24時間11分と発表されています。たかが11分と思うかもしれませんが、放っておくと1週間で1時間以上、1カ月にすると4時間以上もずれてしまうことになります。これをリセットして24時間と合わせることで、生活のリズムが生まれます。そして夜になったらメラトニンという睡眠をうながすホルモンが分泌されるため、質のいい睡眠も可能になります。
体内時計をリセットするのに有効なのは、まず朝起きたときに太陽の光を浴びること。これによって、体内時計の「親時計」を目覚めさせることができます。しかし体の奥深くにある「子時計」には光が届きません。そこで子時計も目覚めさせるために、食事を摂る必要があります。太陽を浴びてから、あまり時間をおかずに朝食を摂る方がいいと考えられます。

1日のリズムを取り戻したら、睡眠や入浴、食事を計画的に行うことを考えましょう。
食事は床に就く3時間以上前にすませ、胃腸を休めてから寝るのが理想的です。また、質のよい睡眠のためには、体を温める食事を選びましょう。人は高い体温が下がるときによく眠れます。例えば唐辛子に含まれているカプサイシンには、体温を上げた後に下げる作用がありますから、そういった食材を選ぶといいでしょう。
運動は夕食後1時間以上たっていて、床に就く2時間以上前までに行うといいでしょう。適度な疲労感は、睡眠のよきパートナーです。しかし寝る直前に運動すると体温が高くなりすぎ、寝付くことが難しくなりますから注意しましょう。
入浴はシャワーですませるのではなく、40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるのが効果的です。リラックス効果が得られるだけでなく、高くなった体温を放熱しようと血管が開くことで、副交感神経が優位になります。そして血流のよくなった四肢から熱が逃げていき、体温が下がることで寝付きやすくなるのです。風呂上がりに手首や足首を伸ばすといった軽いストレッチを行うことも、質のいい睡眠の後押しとなります。

 

質のいい睡眠をサポートするアイテム

睡眠の質を高めるためには、寝具なども重要なポイントです。
例えば自分の体格に合った枕を選ぶことで、安眠を得られることも多いのです。頭頂部が高すぎると首が落ち込んでしまうため、肩こりやいびきを引き起こすことがあります。顎が上がってしまう状態だと、いびきや口呼吸の原因になることもあります。寝具メーカーが実際に計測して、個人個人に合った高さの枕を提供してくれるお店も増えていますから、試してみるのも一つの手です。
マットレスを替える方法もあります。スポーツ選手がよく利用しているという網状のマットレスは、代謝の高い人や暑がりの人にピッタリです。また、寝返りが打ちやすいため、快眠に結びつくのです。ただし、通気性が良すぎるため、冷え症の人は注意が必要です。

パジャマ選びにも気を遣いたいものです。一番パジャマにピッタリなのが、汗をしっかり吸い取ってくれる薄手のコットン製です。寒い時期には少し毛羽立ったものに替えるのがいいでしょう。しかし、厚着をして寝ると寝返りが打ちづらくなるため、快眠できないことがあります。また、靴下を重ね履きすると血流が滞ってしまうため、かえって温まりません。冷え症の人も、重ね履きを避ける方が無難です。

睡眠のリズムを突然断ち切ってしまう大音量の目覚まし時計は、心地いい目覚めのためには逆効果です。今では優れモノの睡眠計が発売されていますから、活用してみてはいかがでしょう。注目の機能は、「設定した時刻から60分前までの任意の時間の間で、目覚めやすいタイミングでアラームを鳴らしてくれる」点です。この機能に関しては、睡眠を研究する専門家からも「理にかなっている」「スッキリ目覚めがいい」と評価されています。また、睡眠時間や寝付きにかかった時間、夜中の寝返りも計測してくれるので、自分の睡眠の状態を把握することができます。
カモミールなどのハーブティーや、漢方薬を利用するのもいいでしょう。また、休息のためにアミノ酸の「グリシン」を活用する人も増えてきています。いずれにせよ、自分にマッチするアイテムを見つけることが、快眠に結びつくのです。

 

お酒を飲むと良い睡眠できない2つの理由

お酒を飲むと熟睡できなくなる理由は、大きく分けて2つあります。

中途覚醒が増え、眠りが浅くなる

お酒を飲むとリラックスするので、寝付きがよくなります。ところが、睡眠の後半になると、アルコールの代謝が活発化するため脳が興奮し、中途覚醒しやすくなります。

さらに、アルコールの利尿作用によって、睡眠時に働くはずの“抗利尿作用”が弱まり、トイレに行く回数が増え、眠りが浅くなり熟睡できなくなります。

いびきをかきやすくなる

アルコールには喉(のど)や舌の筋肉を緩める作用があるため、気道がつぶれて、いびきをかきやすくなります。

いびきをかくと、眠りが浅くなり熟睡できなくなるうえ、気道がふさがって息ができなくなってしまう「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こすなど、睡眠障害につながる可能性があります。

 

良い睡眠するためのお酒の飲み方

アルコールは摂取量20gに対し、体内から消えるまでに3時間ほどかかります。

飲酒の量が適量かつ、就寝3時間前までに飲み終わっていれば、中途覚醒が減り、お酒のリラックス効果を有効活用しながら眠りにつくことができます。

3時間で分解できるアルコール摂取量は、成人男性なら日本酒では1合、ビールでは中瓶1本程度です。女性や高齢者は、その半分が目安となります。

飲酒後の熟睡ケア

熟睡するためには、お酒の量や飲む時間だけではなく、飲んだ後のケアも大事です。飲酒後に行ったほうがよいことを以下にまとめました。

抱き枕を使って横向きの姿勢で眠る

アルコールを摂取して眠ると、筋肉が緩んで寝返りが打ちづらくなります。

すると、筋肉が固くなり、疲れが抜けにくくなります。そのため、あお向けではなく、横向きの姿勢で眠るようにしましょう。

横向きになることで、身体をほぐしやすくするだけではなく、アルコールによって緩んだ舌がのどをふさいでしまう状態を予防できます。安定して横向きで眠れるように、抱き枕を使いましょう。

「口閉じテープ」を使い、鼻呼吸をする

口呼吸をすると口内が乾燥し、喉(のど)の炎症を引き起こす可能性があります。

また、熟睡を妨げるいびきや、睡眠時無呼吸症候群といった睡眠障害のもとになることもあります。

睡眠中でも鼻呼吸ができるように、薬局やドラッグストアで手に入る「口閉じテープ」を活用してみましょう。

 

質のよい睡眠を実現するための方法トップ5

質のよい睡眠を実現するために、今日からできること

最後に、理想的な睡眠をかなえるための方法についてみていきましょう

1.起床するのは毎日、同じ時刻

目覚める時刻を一定にすることで、体内時計のリズムが整います。休日はゆっくり眠っていたくなりますが、平日の起床時間より2時間以上遅くなると、翌日の朝に起きるのが辛くなるので注意しましょう。

2,食事は1日3回、規則正しく食べるのが基本。

朝食を摂ることで胃腸が働き、体内時計のリズムが整います。反対に、夜遅い時刻の食事は胃腸が休まらず、深部体温が高いままとなって睡眠の質が低下するので避けてください。
食事の量は3食ほぼ均等か、夕食を少なめにすることが推奨されています。夕食では刺激物やカフェイン、消化の悪いものは避けた方がよいでしょう。

3,グリシンを含む食品をとる

グリシンとは、エビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロといった魚介類に多く含まれます。体内に広く存在するアミノ酸で、脳の体内時計に作用して睡眠のリズムを調整すると言われる成分。睡眠に問題を抱えた人が就寝30分前に3gのグリシンを摂取したところ、朝はスッキリと目が覚め、日中の作業効率も向上したという研究結果も報告されています。

4,睡眠の環境を整える室温

理想的な寝室の温度は、16〜26℃を保つとよいでしょう。
夏、寝具を使う場合は室温26度が望ましく、室温28℃を超えると睡眠の質は低下します。一方、冬は16〜19℃が安定した睡眠を得られます。なお、湿度は50〜60%が理想的です。

5.明るさ

眠る1〜2時間前からは、やや暗めの白熱灯の下で過ごすと寝付きがよくなります。睡眠中は暗いほどよく、4ルクス以下が理想的。フットライトなら同程度の明るさのものがあるので、真っ暗な状態が不安な人にオススメです。なお、朝は2500ルクス以上の強い光を浴びると、スムーズに目覚められます。起床時刻の30分前から徐々に明るくしていくと、さらに効果的。寝室の照明がタイマー付きなら、ぜひお試しください。

環境を整え、規則正しい生活を送ることが質のよい睡眠には不可欠です。ボーッとして過ごすより、睡眠の質を高めることで、健康な身体や効率的にやるべきことを進められるようにしましょう。

 

就寝前のNG行動

就寝前のNG行動

日常生活を送りながら何気なくとる行動が、実は眠りの質を下げているかもしれません。

次の項目に心当たりがある人は、できることから改善して、睡眠の質を下げないようにしましょう。

眠くないのに眠ろうとする

毎日決まった時間に眠り、規則正しい生活を送ることは、睡眠の質を上げるために大切なことです。しかし、眠くないときに無理に眠ろうとするのはやめましょう。

頑張って「眠ろう」と考えると、逆に脳が目覚めてしまい、さらに眠れなくなってしまいます。

眠れないときは、穏やかな音楽を聴いたり、好みのアロマオイルの香りを嗅いだりして、自然に眠気が来るのを待ちましょう。

夜に激しい運動をする

「運動をすると身体が疲れてよく眠れる」と、思う人もいるかもしれません。しかし、激しい運動をすると、体温が急に上がり、下がるまでに時間がかかるため、寝つけなくなることがあります。

加えて、運動をすると交感神経が刺激されるので、身体が休息モードになる副交感神経へ切り替わりづらくなることもあります。

夕方から20時ごろまでに20分〜1時間ほど、ウォーキングなど軽い有酸素運動をしましょう。スムーズな入眠と、深い睡眠に効果的です。

考え事をする

考え事をすると、脳が働き、ストレスを感じる状態になります。ストレスを感じると抗炎症作用や免疫抑制作用のある「副腎皮質ホルモン」が分泌され、脳が覚醒します。

このため、考え事をしてストレスを感じ続けると、なかなか眠りにつけず、眠れたとしてもすぐに目が覚めてしまう可能性があります。

考え事をやめ、リラックスをした状態で眠りに入るようにしましょう。
普段の行動で、当てはまるものはありましたか?

ぐっすり眠れる環境を整え、熟睡できるようにしましょう。

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